企業の開示情報を頼りに株式投資

8591オリックス

 オリックスの事業の変遷に注目している。ご承知のように同社はリース会社であって、リース会社ではない。総合金融業でもあるが、最近は再生可能エネルギーやコンセッションにも参入しているのだ。再生可能エネルギーは、電力固定価格買取制度(FIT制度)が始まり、20年間の買取が保証されるので、20年の超長期債権を買うケースと同じ感覚と言っても良い。営業やプロモーションが不要のうえ投資に見合った利回り計算が出来るので、融資案件が少ない中、金融業としてはリスクの低い最高の事業と言えよう。

 

最近では八丈島の地熱発電開発を行い、地産地消型クリーンエネルギーも事業化している。これは離島のエネルギー開発のモデルとして今後脚光を浴びることも考えられる。離島は日本だけではなく、世界中に数えきれないほど有るからだ。

 

 関西空港をはじめとして、民営化コンセッションにも積極的だ。空港運営や水道事業は、自治体の財政悪化問題が関係するため、今後も民営化の流れは止まらないだろう。そして、ここ2年くらいで、これらのコンセッションの勝ち組、負け組の色分けが見えて来たことが大きな注目点だ。勝ち組の落札勝利パターンが確立されてしまうと、今後は、負け組は撤退するか、負けを繰り返すことになると予想される。同社は完全な勝ち組になったと感じられてならない。また、これもとりあえず20年の利回りが計算出来、しかも高利回りなので、豊富な資金の投資案件としては持って来いだ。同社の事業投資部門は毎年増収増益を続けているが、このセグメントが伸びるのはむしろこれからが本番となるだろう。そして、このことはまだ投資家の間ではあまり気づかれていない。投資余地としては十分だ。