企業の開示情報を頼りに株式投資

銘柄選択

藤井四段の連覇はすごい。まだ14歳の中学生が次々に年配のプロ棋士を打ち破るのだ。世代交代の兆しを我々は感じざるを得ない。

産業界では、かつて繊維会社が、そして鉄鋼会社が、さらに電機、自動車会社の時代へと主役は変化して来た。株式市場でも時代とともに選択される銘柄は入れ替わる。20年前に時価総額の上位を占めていた都銀や電機株は今やほとんど姿を消し、代わって自動車、通信株等が台頭している。そして、次の時代には、ネット関連やICTの企業が有力な候補として疑いもなく登場するのだろう。時代の流れは最近スピードを上げているようにも見える。

今年に入って自動車株が上がらなくなった。米国の自動車ローンのサブプライム化の連想も影響としてあるのだろうが、人口減少やライドシェア、そして電気自動車、自動運転など、事業環境の変化を市場は織り込み始めているようだ。で電気自動車が主流になれば、組み立てに必要な部品は2/3となり、部品会社にも大きなパラダイムシフトが起こる。

一方、新高値を更新する銘柄が存在する中で、地銀株は下値を模索している。先週の新聞の中で、地方の信用金庫の預貸率が50%を割り込んだとの記事が目に付いた。地銀でも70%くらいだから、いかに地方の融資先が乏しく、経営が苦しい状況にあるかがわかる。ある意味、このような企業の時代の役割が終わったのだ。待ち受けるのは、再編、統合による縮小均衡だろう。

第4次産業革命が、ICTやAI、自動走行、空飛ぶ自動車等によってもたらされるならば、この変化に関連する銘柄に軸足を移すしかない、というのが選択の方向性となろう。PERに拘らず、新興市場も視野に入れる必要性が高まっている。市場に過熱感はあまり感じられない。