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8818 京阪ビルディング

こんな会社があったのか!注目されるのは営業利益率40%。そして内部留保350億円の凄さだ。それだけではない。この会社、たった43人の人員しかいない究極のエリート会社だ。不動産業とはいえ、馬券売り場ウインズビルやデータセンターなどを有し、超優良顧客を囲い込んでいる。他に商業施設や物流センター等もあり、稼働率は極めて高い。逆に言うと空室率は低く、これがバカげた利益率を実現させる原点だ。


そもそもこの会社の「ルーツは」というと、阪神競馬場に辿り着く。関西の有力な馬主と地元経済界をバックに設立された。大阪の中心地や主要な場所には古くから同社のオフィスビルが存在感を示し、好立地、高機能がこの会社のキーコンセプトとなっている。


もちろん今の経営陣は、関西経済界を支える旧住友銀行出身者で占められている。安定した業績を続ける理由は物件だけにとどまらず、ここにもある。
毎年計上される約30億円の純利益は、あらたな投資先が無ければ利益剰余金として留保される。最近は低金利が追い風になっている一方不動産価格は上昇しており、なかなか採算に合う物件は手に入り難い。関西地区だけでなく関東地区に進出するという経営戦略に立ちはだかるやっかいな問題だ。かといって優良投資案件が無ければ内部留保は着実に積み上がる。嬉しい悲鳴だ。毎年増配、それが現実となっている。PER11倍、PBR0.6倍とは呆れた数字だ。市場の非効率性が読み取れる。明らかに評価不足だろう。