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4732 ユー・エス・エス

ユー・エス・エス、名古屋に本社がある会社で、中古車のオークション会場を運営している。名古屋の港にほど近い場所に広大な土地があり、そこに出展される中古車がところ狭しと並ぶ光景は実に圧巻だ。そしてその中に本社を兼ねたオークション会場がある。オークション会場の中に入ると、まるで大学の大講義室のように階段形式の椅子が並び、前方の広いスクリーンに出展された中古車の画面が何枚か流れ、バイヤーが次々と入札ボタンを押して値が吊り上がって行く。1台のセリに掛けられる時間はまさにあっという間だ。


 会場を見渡すと驚くことが2つあった。一つはその取引時間の短さ。買い手と売り手の両方から手数料を頂き、しかも成約すると成約手数料が入るというビジネスモデルは、このオート化されたセリ時間のスピードが強みとなって支えられている。そして驚きの2つ目は、外国人のバイヤーの多さだ。東南アジア系、中東系もいる。まるでインターナショナルな空港や国際会議場に来ているみたいで、名古屋港の近くにいることを一瞬忘れさせてくれる。日本の安い中古車は、彼らにとっては宝の山なのだろう。満足そうな表情にそのビジネスの美味しさがにじみ出ている。


 ユー・エス・エスの利益剰余金を見て、我が目を疑った。1,600億円もある。総資産が約1,860億円だから、とんどもない金額だ。しかも営業利益率は50%と驚異的な数字だから、売上高が極端に減少しない限り純利益約230億円が毎年チャリン、チャリンと音を立てて積み上がって行く。投資はどうか。全国の中古車オークション会場の約4割を押さえてしまったダントツ1位の会社は、これ以上シェアが高まると、独占禁止法という壁にぶち当たる恐れがある。これ以上の中古車オークション会場のシェア拡大に向けた投資は無理だが、業界の陣取りが終わった結果としてのシェアNO1が、更なる強みとなって競争優位を牽引する。内部留保は投資が進まなければ株主還元に振り向けるしかない。だから17期連続増配なんてことが簡単にやってのけられるのだ。
国内の新車登録台数や中古車登録台数はかげりが見え始め、ユー・エス・エスの業績も鈍る傾向にある。しかし、株価が減収を織り込み、緩んだところが絶好の買い場となるだろう。この利益剰余金と営業利益率を見たら、ヨダレが出た。多少国内市場が低迷しても海外のバイヤーの視線は熱い。新興国の発展とともに、中期的な成長も見え始めるだろう。