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4559  ゼリア新薬工業

 皆さんは丸山ワクチンを覚えているだろうか。日本医科大学の先生だった丸山教授が、当時結核患者やライ病患者にがん患者が少ないことに気づき、結核菌、らい菌の抗体を利用しがん治療薬として開発したものである。1960年代に株式市場で話題となった。この通称マルワクは、その後がん治療薬として承認されていないものの、実は現在も製造されている。それを担当しているのがゼリア新薬だ。開発NOはZ100、効能を子宮頸がんに絞り、治療薬として上市までフェーズⅢの段階にある。

 

 さて、同社はこうした医療用医薬品と一般大衆向けのコンシューマーヘルスケアOTCの2つのセグメントを有する中堅の医薬品企業だ。医療用は消化器系に特化し、胃や腸の薬を世に出している。代表的なのはアサコールという潰瘍性大腸炎の薬で、あの安倍総理が利用し画期的に効いたことで話題となった。対抗品が服用してから時間の経過で作用するのに対し、アサコールは大腸内のPH(ペーハー)に作用し薬剤が溶け始めるという画期的なものだ。スイスのティロッツ社が開発し、これを買収する形でゼリアが導入した。日本国内はもとより、残念ながら米国での販売権は無いものの欧州での展開を始めている。

 

 OTCで有名なのは皆さんも良くご存知のコンドロイチンとヘパリーゼだ。コンドロイチンは、かなり以前から発売している大衆用医薬品で、1560mgを含んでいる点は先駆者としての既得権だ。他の関節炎等のサプリは後発のためこの量を含むことが認可されず、他の成分を入れてアピールしている。類似品とも言えない全く別商品と言えよう。ヘパリーゼは二日酔いに効くとされる医薬品(効くとは言っていないが)で、かなり前から発売されていたが、先行するハイウス食品のウコンの力の売れ行きを見てから本格的なプロモーションを開始した。最近ではウコンの力の売れ行きが頭打ちになる中、ヘパリーゼはコンビニ用にW(清涼飲料水)を投入し市場を侵食、順調な成果を上げている。ハウス食品の決算説明会ではウコンの力の販売額が落ちた要因をなかなか本音で語っていなかったが、両者の売上高を時系列に並べて比較すると答えは何か鮮明になる。今ではシリーズとして100億円を超える大ヒット商品に成長した。

 

 もう一つ医療用の中で注目されるのは、アコファイドという機能性ディスペプシアに適応する薬だ。機能性ディスペプシアとは、胃のもたれやムカつき、不快感など、原因を特定出来ない慢性的な症状のことをいうが、この症状に適応する薬は今まで有りそうで無かった。今後の戦略商品の一つである。

 

 株価は1,670円近辺、PER24.7倍、PBR1.5倍、時価総額890億円、ちょっと高い感じもするが、100株で2回/年、株主優待ヘパリーゼWorヘパカンが頂けるので、押し目は狙っておきたい銘柄だ。

為替に物申す

 最近の為替の評論には呆れるばかりだ。有事には円が買われるという。しかも北朝鮮問題で日本が巻き込まれる懸念も有るのに有事には円が買われるのだそうだ。不思議なものだ。かつては日本には地政学上全く関係ない有事でもドルが買われ円は売られたものだ。軍事力の裏付けのあるドルを買い円を売って逃避する、という世界的な投資家の理屈がそこにはあった。

 

そもそも為替相場は何で動くのか。教科書では、3つの要因を示している。一つは貿易収支、2つ目は金利格差、そして3番目はスペキュレーションである。30年くらい前に遡ると貿易収支あるいは経常収支が為替相場を動かす主因であったという歴史もあり、時の経済白書は「必ずしも自明ではない」と断りながらも貿易収支の動向とドル円の動きを関連づけて説明していた。今は、スペキュレーションの量が多くなり、為替市場に大きなインパクトを与えている。だから、数多くの訳の分からぬ与件によって為替は動く。為替評論家は金利格差を見通し要因として取り上げることが多いが、残念ながら方向性を間違えることが多い。要するに予想は当たらないのだ。為替相場を動かす与件が余りにも多いため予測が出来ない、と言っても過言ではない。専門家の新年の為替予想を返り見ると、10人中10人が外れる理由がここにある。

 

為替はチャートが最も馴染む。チャートはそもそも多くの市場参加者の考えや予測が込められているので、過去の経験則を持ち出したチャート分析が予測に活かされ易いという訳だ。最近TVに出演する女性専門家が、色々な要因分析とともにチャートの雲の話も付け加えて説明していた。おかしな話だ。チャートを語るなら他の要因分析を語るのは邪道というべきだ。チャートが市場の総意を内蔵しているのなら他の要因を並べて語るべきではなく、本物のチャーチストは余計なことは語らないのが常識だ。

 

さて有事の円高の話に戻ろう。結局円が買われているということは、為替市場は本当の有事を想定していないということではないか。

8864 空港施設

 あまり人に教えたくない銘柄がある。空港施設という比較的地味な会社だ。17/3期は増収増益予定で、中計も上方修正した。PBRは0.57倍、PERは13.5倍、時価総額は約300億円でありながら利益剰余金は366億円も抱えているから凄い。ここ数年の売上高は200億円、営業利益は30億円前後で安定して推移している。注目されるのは、この業績だけではない。訪日外国人の増加で羽田空港の輸送増、インバウンド消費の恩恵を受けるだけでなく、成長性を追求した投資も活発で、昨年には羽田にホテル(JALシティ)も新たに稼働したから来期も楽しみだ。さらに北九州空港では三菱重工に貸し出すMRJ用格納庫を建設しており、将来の収益源として期待される。また、空港コンセッションにも参加することも視野に入れている。単独では無理といても、最近関空コンセッションを落としたオリックス社あたりとアライアンスを組むことも考えられる。そういえば、ホテルの賃貸先は確かオリックス不動産だ。オリンピックに向けた準備は着々と進んでいる。